どうも、つんたろーです。
今日は、トレード1回あたりの損切り率の大きさと、損益分岐点となる勝率の関係について、気になっていることがあったので、ちょっと検証してみました。
トレード1回あたりの損切りについて、皆さんは、どのように設定していますか?
私が思うに、損切りを設定する場合は、資金に対する%として一定の割合をもって設定することが、資金を全損させない損切り戦略で、非常に重要になると考えています。(詳しくは、「FXトレードの資金管理の基礎「損切りの考え方」」を参照。)
ここでは、その損切りの資金に対する%(ここでは「損率」と言うことにします。)の大きさと、勝率の関係について書いてみたいと思います。
R倍数と損益分岐点となる勝率
まずは単純な話から。
R倍数が「4」の場合、損益分岐点となる勝率は20%。つまり、利益:損失=4:1となるトレードを行う場合、5回のトレードのうち、1回勝つことができれば、収支はプラスマイナスゼロとなります。(R倍数と勝率の関係は「FXトレードで不可欠な「R倍数」と「勝率」の関係」を参照。)
ただ、これは理論値の話。
実際は、もう少し勝率が高くないと、収支はプラスマイナスゼロにはなりません。
では、実際に計算してみましょう。
R倍数が4の場合で、1回あたりのトレードにおける損率は資金の0.1%。資金100万円から開始して、100回トレードを行い、うち20回勝った(つまり勝率20%)として試算してみます。
試算の設定値
- R倍数:4
- 損率(1回あたり):資金の0.1%
- 開始資金:100万円
- トレード回数:100回
- 勝率:20%
これを計算した結果が以下のとおり。
収支は「△200円」。
おおよそは収支がプラスマイナスゼロですが、微妙にマイナス収支になります。(ちなみに、なぜ理論値である勝率20%でも収支がプラスマイナスゼロにならないのかは、正直なところ分からないんですが・・・(笑)。端数処理の関係なんでしょうかね?)
損率を大きくしていくと、どうなる?
本題はここからです。
上記で紹介したような、トレード1回あたりの損失を資金に対する%で設定して、R倍数と組み合わせてトレードを行う場合、損率の%を大きくすることにより、勝った際の利益が大きくなります。
例えば。
損率を0.1%と設定していた場合は、資金100万円でR倍数「4」でトレードを行うと、1回あたりの損失が「△1,000円」、利益は4倍の「4,000円」ですが。
損率10倍の1%にした場合、同じトレードを行ったとしても、1回あたりの損失は「△10,000円」で、利益は「40,000円」になります。
損率を0.1%から1%へ
100万円資金で、R倍数「4」でトレードすると、1回あたりの利益は、
- 損率「0.1%」=利益「4,000円」
- 損率「1%」=利益「40,000円」
全く同じトレードをしているのに、損率を変更するだけで利益が10倍!?(もちろん、損失も10倍。)
そう考えると、当然、損率を大きく設定して、ドカンと稼ぎたくなる・・・。
というわけで、損率をどんどん大きくして、試算してみましょう。
試算の設定値
- R倍数:4
- 開始資金:100万円
- トレード回数:100回
- 損率(1回あたり):%を大きくしていく!
これを計算した結果が以下のとおり。(縦軸が損率、横軸が勝率、表の中の数字は試算後の損益(収支)です。)
気が付きましたでしょうか?
損率の%を大きくしていくと、同じ勝率でも、損失額がどんどん大きくなっていきます。
例えば、勝率21%の場合、損率が「0.1%」の場合は収支が「+4,804円」ですが、損率が「13.5%」の場合は収支が「△908,334円」となり、ほぼ全ての資金が失われています。
同じR倍数が「4」で、勝率が20%なのに・・・。
不思議ですね(汗)
そして、これは言いかえると、損率を大きくすると、損益分岐点となる勝率も高くなっていくということ。(黄色セルの部分は、損益分岐点となる勝率が1%ずつ引き上がった損率ところです。)
要するに、損率を大きくすることで、より高い勝率の成績、より厳しいトレード結果を出すことが求められるわけです。
損率によっては、正直、かなり辛い(汗)
損率を大きくする場合は、自分のトレードの勝率と相談
先ほどの試算でお分かりになったと思いますが、R倍数と損率によるトレード戦略を取り入れる場合は、利益が大きくなるからといって、損率を大きくし過ぎないように注意が必要です。
そして、R倍数から算出される「理論上の損益分岐点の勝率」がそのまま使えると考えず、しっかりと自分のトレード戦略に合わせて試算をして、必要な勝率を計算しておく必要があります。
損率を大きくするということは、爆発的に資金が増やせる可能性がある一方で、勝つために必要となる勝率も高くなり、少しの失敗が命取りになるということを、しっかりと頭に入れておくことが大切です。