ここでは、GEMFOREXのスプレッドについて、様々な角度から分析してみようと思います。
スプレッドとは
まず最初に、スプレッドとは何かについて、簡単に触れておきましょう。
スプレッドとは、簡単に言うと「売値と買値の差」のこと。
そして、この差は、FX投資を行う上でコスト(損失)として影響してくるもので、スプレッドが広いと損失は大きくなり、スプレッドが狭いと損失は小さくなります。
そのため、FX投資においてはスプレッドが狭い方が「良い」ことになります。
※スプレッドについてもう少し詳しく知りたい場合は「スプレッドとは何か?その影響とは?」を参照
GEMFOREXの口座別スプレッド比較
それでは、GEMFOERXの各通貨ペアのスプレッドについて、見てみましょう。
<オールインワン口座のスプレッド>
<ノースプレッド口座のスプレッド>
<スプレッド比較表>
これは、各通貨ペアの口座ごとのスプレッドと、口座間のスプレッドの差を表にしたものです。
この表からも分かる通り、「ノースプレッド口座」はスプレッドが小さいことを売りにしているだけあって、スプレッドの狭さはかなりのもの。特に主要通貨ペアである「USD/JPY(ドル円)」や「EUR/USD(ユーロドル)」のスプレッドは、かなり狭くなっています。
ただ、通貨ペアによっては、「オールインワン口座」と「ノースプレッド口座」のスプレッドにほとんど差がないものもあります。
そのため、自分が取引する通貨ペアのスプレッドをよく確認して、どちらの口座を利用すると良いのか考えておく必要があります。
他社とのスプレッド比較
次に、GEMFOREXとそれ以外の業者で、スプレッドにどの程度の違いがあるのかについて、分析してみましょう。
今回は、海外FX業者の中でも日本で特に有名な「XM」を比較対象として、スプレッド差について見てみようと思います。
オールインワン口座の比較
これは、GEMFOREXの「オールインワン口座」と、それに相当するXMの「スタンダード口座」について、主要な通貨ペアに絞って比較した表です。
この記事の作成時点での比較では、XMよりGEMFOREXの方がスプレッドが狭くなっており、GEMFOREXの方が魅力的なスプレッドとなっているのが分かります。
ただし、この数値はあくまで各社のホームページで発表されている数値であり、実際のトレード場面ではいくらかのズレが生じていると思われるため、2社の「スプレッドにはあまり差がない」と考えるのが妥当だと思います。
ノースプレッド口座の比較
次に比較したのは、GEMFOERXの「ノースプレッド口座」と、それに相当するXMの「Zero口座」です。
上記の表を見てみると、今度はXMの方がGEMFOERXよりスプレッドが狭く、一見、XMの方が魅力的に見えます。
ただ、多くの海外FX業者の場合、スプレッドが狭い口座では取引に応じて1往復あたり、おおよそ1pips程度の手数料が発生します。そのため、XMも上記の表のスプレッドに1pipsを追加した数字が、本来の取引コストとなります。
その点、GEMFOERXの「ノースプレッド口座」では、1往復あたりの取引手数料というのが発生しません。
そのため、GEMFOERXの「ノースプレッド口座」と、それに相応するXMの口座を比較した場合、圧倒的にGEMFOERXの方が取引コスト的に有利ということになります。
スプレッドの変化について
ここまで、GEMFOERXのホームページで公表しているスプレッドの数値をベースに分析を行ってきました。ただ、このスプレッドの数値は固定ではなく、状況に応じて広がったりすることがあります。
特にGEMFOREXの場合、「変動」制スプレッドを採用していると言われており、多くのFX業者で採用されている「原則固定」制よりも、スプレッドが開きやすいようです。
どんな時にスプレッドは広がる?
スプレッドが広がるタイミングは、大きく分けると以下の3つに分類できます。
- 早朝
- 週末
- レートが急激に変化する時
「早朝」は、平日毎朝、日付が切り替わる日本時間6時~8時くらいで、スプレッドが広がる傾向にあります。
「週末」は、金曜日の取引が終了する時点で、翌週の月曜日の取引が開始されるまでの間、スプレッドが広がった状態が継続されます。
「レートが急激に変化する時」とは、経済指標の発表や、世界的ニュースの発表などによって急激にレートが変化する時です。直近で最もスプレッドが広がったのは、アップルショックの時だと思います。
このように、要因は様々ありますが、流動性が乏しくなるタイミングで、スプレッドが広がる傾向にあります。
どれくらいスプレッドは広がる?
では、実際のところ、どの程度スプレッドが広がるのでしょうか。
平常時のスプレッドは、オールインワン口座で「1.5~1.6pips」程度。これと比較して、「早朝」「週末」「レート急変時」がどの程度のスプレッドになるか、見てみましょう。
- 早朝=だいたい10pips前後(30pips弱もあり)
- 週末=だいたい10 pips前後(25pips位もあり)
- レート急変時=???
上記は、私が2020年の1年間に目視でスプレッドを監視した結果、見えてきた傾向です。(ただし、漏れや抜け無く完璧に監視できたわけではないため、私が見ていない時や、瞬間的に画面表示されない場合など、もっとスプレッドが広がっている可能性もあります。あくまで、「私が監視した範囲」の数値ということを、ご了承ください。)
まず「早朝」について、確認できた範囲では、最大が「27.2pips」でした。その時々の値動きの大きさに左右されるため、平均で・・・という考え方は使いにくいですが、あえて平均値を出すとしたら、「10pips前後」。頻度的に多いのは「15pips前後」の数字です。
次に「週末」ですが、最大は「24.5pips」。平均値は「10pips前後」で、なぜか「8.8pips」という数字が頻度的に多かったです。(この数値である程度固定されるように設定されているような気がします。)
最後に「レート急変時」ですが、これは、ちょっと監視していなかったため、残念ながら把握できていません。ただ、参考値ですが、直近で最も大きいレート急変時である2019年1月の「アップルショック」の際は、スプレッド「180pips」という、とんでもない数字が出たようです。
スプレッドが広がることでの影響は?
ここまでスプレッドの変化状況について書いてきました。では、スプレッドが広がることで、何に影響してくるのか?
基本的には、スプレッドが広がったとしても一瞬のことで、早朝などでは1時間程度、週末ではよく月曜日の取引開始まで、スプレッドが広がる傾向が継続される程度。
そのため、その時間帯を避けて注文を入れれば、不利なレートでトレードすることを回避でき、スプレッドによる影響は避けることができます。
ただし、ポジションを保有している状態でスプレッドが広がった場合は、含み損が拡大してしまうため、損切り設定の値に引っかかってしまう可能性があります。
GEMFOREXのスプレッド分析まとめ
最後に、GEMFOREXのスプレッド分析について、まとめておきます。
口座別のスプレッド(ドル円)
- オールインワン口座=1.6pipsくらい
- ノースプレッド口座=0.3pipsくらい
他社スプレッドと比較した場合
- オールインワン口座もノースプレッド口座も、多少の違いはあれ、他社と大差はなし。
- ただし、ノースプレッド口座の場合、GEMFOREXでは取引手数料が発生しないため、1回あたりのトータルコストは、かなり小さくなる。
スプレッドの変化
- 毎朝6~8時くらいと週末には、10pips程度、スプレッドが広がることを想定した取引が必要。
- 広い時は30pips程度のスプレッドも覚悟する。(過去には180pipsというスプレッドが発生した可能性あり。)