どうも、つんたろーです。
今日は、海外のFX業者を利用する場合の注意点やデメリットについて、書いてみようと思います。
海外のFX業者を利用する場合、国内のFX業者に比べて、色々とメリットも多い。(詳しくは「絶対に知っておくべき、海外FX業者を利用するメリット」を参照)
しかし、国内FX業者には無いデメリットも、いくつかあります。
海外FX業者のメリットを十分に活用するためにも、デメリットをしっかりと把握しておきましょう。
デメリットその1:取引手数料がかかる(かも)
まず最初に注意しなければいけないのは「取引手数料」。ここでいう取引手数料とは、スプレッドのことを含まない、注文行為に対して発生する純粋な手数料のこと。
国内FX業者の場合、注文に対して取引手数料が発生する業者は、それほど多くない。そのため、国内FX業者を利用している場合は、取引手数料を気にする必要はないことが多い。
しかし、海外FX業者の場合、1回の注文に対して一定の金額が「取引手数料」として発生し、損失となる。
例えば。
私が利用している「TitanFX」のブレード口座の場合、1回の注文~決済で、1万通貨あたり約0.7ドル(¥70)の取引手数料が発生する。
ただ、こうして見ると、そこまで大きな金額の取引手数料ではない気がする。なので、気にする必要はないのでは?と思ってしまうが・・・。
チリも積もれば山となる。
取引回数や取引数量にもよるが、私が実行しているトレードスタイルの場合、この取引手数料が年間で「70万円」を超える見込みとなる。
トレードの成績に関係のない、勝ちトレードでも、負けトレードでも、必ず毎回発生する損失で、その金額が年間で70万円というのは、正直なところ、かなり厳しい。
これは要するに、この損失を上回るようなトレード成績を叩き出す必要があるということ。
ただ、全ての海外FX業者で取引手数料が発生するわけではない。
そのため、海外FX業者を利用する場合は、自分のトレードスタイルで、取引手数料が発生した場合に黒字になるのか、しっかりと検討してから利用する必要がある。
(取引手数料について詳しく見たい方は「海外FX業者を利用する場合の「取引手数料」が、意外と厳しい」の記事を参照。)
海外FX業者のデメリット①
取引手数料が発生する業者を利用する場合、トレード成績に関係なく、損失が発生する。
デメリットその2:スプレッドが大きい(かも)
取引手数料と合わせて注意するべきなのが「スプレッド」。
スプレッドとは、買値と売値の差であり、取引手数料の一つと考えると良い。(スプレッドについて詳しく知りたい場合は「スプレッドとは何か?その影響とは?」を参照)
国内FX業者の場合で、例えばドル円の場合、そのスプレッドは「0.2pips」前後と、かなり小さい。そして、国内FX業者各社で、そこまで大きなバラツキも無い。
一方で海外FX業者の場合は、スプレッドの大きさは、まちまち。業者によって、また、同一業者でも利用するサービス(口座)にもよって、スプレッドの大きさは異なる。国内FX業者と同じレベルの小さなスプレッドで取引できる業者もあれば、大きなスプレッドの業者も数多くある。
先ほども紹介したが、私が利用している「TitanFX」の場合を例に挙げると・・・。
利用できるサービス(口座)が「ブレード口座」と「スタンダード口座」の2種類。
「ブレード口座」はスプレッドが小さい代わりに、取引手数料が発生し、「スタンダード口座」は取引手数料が発生しない代わりに、スプレッドが大きい。
ちなみに、この2つの口座のスプレッドは以下のとおり。
- ブレード口座=0.2pips
- スタンダード口座=1.3pips
※ドル円の場合
このスプレッド、冒頭でも説明したが、「手数料」、つまり「損失」に分類される。通常のトレードの損益に溶け込んでいるため、目に見える形で損失として発生するわけではないが、毎回、必ず発生する。
そのため、スプレッドの小さい業者を選ぶ方が、損失を小さくすることができる。
上記で紹介したTitanFXの場合、取引口座によるスプレッドの差は、単純計算して10万通貨あたり1,100円。10万通貨の取引1回で、手数料が1,100円も変わってくる計算となる。
自分のトレードスタイル(特にスキャルピングを行う人は注意が必要)を考慮しながら、利用する業者を選定する必要がある。
海外FX業者のデメリット②
スプレッドが大きい業者を利用する場合、取引するたびに、スプレッドによる大きな損失が発生する。
デメリットその3:税金が高い(かも)
FX取引の税金は、国内FX業者を利用するか、海外FX業者を利用するかで、適用される所得税の税制度が異なる。
国内FX業者を利用した場合、所得としては「雑所得」に分類され、税金制度は「申告分離課税」が適用される。
これは、他の所得と切り離して税金額が計算(一部の金融取引とは損益相殺が可能)されるもので、利益の大きさに関わらず税率は約20%となる。また、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越して、将来の利益と損益を相殺することが可能となる。
一方、海外FX業者を利用した場合、「雑所得」に分類される点は同じだが、税金制度は「総合課税」が適用される。
これは、他の所得と損益を合算した上で税金額を計算する方式で、利益が大きくなるにつれて税率は高くなっていく。また、翌年以降に損失を繰り越して、将来の利益と損益を相殺することはできない。
以上のポイントをまとめると、以下のとおりとなる。
ポイントとなるのは、税率と損失繰越。
まず税率について、FX取引による利益が大きくなればなるほど、海外FX業者を利用している場合は税率が高くなる一方で、一定金額以下の利益であれば、海外FX業者の方が、国内FX業者を利用するよりも、税率が低くなる。そのため、税率に関しては、メリットとデメリットの両方の側面がある。
損失繰越について海外FX業者では利用できないため、過去の損失で将来の利益を相殺して、税金を少なくするという方法が使えず、完全なデメリットとなる。
海外FX業者のデメリット③
過去の損失を繰り越せないため、利益が発生した際に節税できない。また、大きく稼げるトレーダーほど、税金負担が大きくなるような税率が適用される。
デメリットその4:信託保全が義務化されていない
「信託保全」とは、顧客から預かった資金を信託銀行に預けることによって、FX業者が万が一倒産した場合でも、信託銀行から資金が返還される、トレーダーの資金を守る仕組みのこと。
国内FX業者は、この信託保全が義務化されているため、FX業者が倒産した場合であっても、資金が返還されるため安心。
一方で、海外FX業者の場合、この「信託保全」が義務化されていない。そのため、FX業者が倒産した場合に資金が戻ってくる可能性が、日本のFX業者に比べて劣る。
とはいえ、海外FX業者でも信託保全を行っているところもあり、似たような保証制度を採用している業者もある。
そのため、まずは自分の利用する海外FX業者が、どのようにして顧客の資金管理を行っているのか確認し、安全性が確保されているか把握しておくことが重要。
ちなみに、顧客の資金管理において「分別管理」という方法もある。
これは、会社の運営資金と顧客から預かった資金を別の銀行口座で管理を行う方法で、顧客資金→会社資金への流用を防止する効果はあるが、倒産時に顧客資金が守られるわけではないため、安全性という面では十分ではない。
海外FX業者のデメリット④
利用しているFX業者が倒産した場合、自分の資金の安全性(返還)が保証されない可能性がある。
デメリットその5:出金手続きが面倒
海外FX業者を利用する場合、業者の口座から資金を出金する手続きは、銀行送金が一般的。
この場合、出金した資金が自分の銀行口座に反映されるまでに時間がかかり、送金の手数料も発生する。
翌営業日には出金手続きが完了したり、手数料が無料となる国内FX業者と比較すると、海外FX業者は手続きが面倒くさいと感じてしまう。
とはいえ、銀行送金以外にも、使い勝手の良い「bitwallet」での出金なども選択できる可能性はあるため、確認してみると良い。
海外FX業者のデメリット⑤
国内FX業者に比べて、資金の出金手続きと出金手数料の条件が悪い。
デメリットその6:日本語対応が不十分
海外FX業者は、その名のとおり、海外の企業が運営している。そのため、スタッフも日本人は少なく、日本語対応が不十分な可能性がある。
日本でも人気のある海外FX業者であれば、ある程度の日本人スタッフが配置されており、問合せ等に対応してくれるため、そこまで不便さを感じることはない。
しかし、そういう業者であっても、例えばアカウントの操作マニュアル等の書類を見ようとする場合、英語版しか準備されていなかったり、といった可能性がある。
海外FX業者のデメリット⑥
日本語対応が十分にされない可能性がある。
最後に
ここまで、海外FX業者を利用する場合のデメリットや注意点について、書いてきました。
メリットの記事でも書いたのですが、一見デメリットと思えるものでも、例えば税金の部分などはメリットの側面があったりします。
そのため、ぜひ、ここで紹介したデメリットについて理解を深め、自分のトレードスタイルなどとも考慮しながら、分析してみることをお勧めします。